誕生日には花束を抱えて【完】
愛のイメージにぴったりの、女の子っぽいワンピースを着て。
桜色の、つやつやの口元。
愛は、いつもにも増して、めっちゃ可愛いかった。
「人と話す時は、相手の目を見て話しなさいって、習わなかった?」
「だ、だからって、電源切るか」
「ゲームはいつでもできるけど、愛しの愛ちゃんの誕生日は、1年に1度だけだよ」
「なにが、愛しの愛ちゃん、だよ」
「いいから、早く用意して。映画は2時からなんだから」
「ったく、それが人に物を頼む態度か? もっと可愛く言えないの――」
――しまった!
言い終える前に、後悔した。
桜色の、つやつやの口元。
愛は、いつもにも増して、めっちゃ可愛いかった。
「人と話す時は、相手の目を見て話しなさいって、習わなかった?」
「だ、だからって、電源切るか」
「ゲームはいつでもできるけど、愛しの愛ちゃんの誕生日は、1年に1度だけだよ」
「なにが、愛しの愛ちゃん、だよ」
「いいから、早く用意して。映画は2時からなんだから」
「ったく、それが人に物を頼む態度か? もっと可愛く言えないの――」
――しまった!
言い終える前に、後悔した。