誕生日には花束を抱えて【完】
映画館の脇のコーヒースタンドでジュースを飲んでいると。


頬に「バカ」と書かれた、身長180センチの男の子。


――正平は、人目を引いていた。


「なんか、オレ、注目されてない?」


さすがに正平も気にし始めて、


「そお? 正平が、カッコいいからじゃない?」


……もう少し、罰を受けてもらうわよ。


そんな内心を隠して、私がにっこり微笑むと、


「え――?」


真に受けて真っ赤になっちゃってるし。


……ほんと、バカ。


でも、そういうところも、スキ。

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