誕生日には花束を抱えて【完】
「おい、いたずらにも程があんだろ!!」

「ふーんだ、バカだから、バカって書いただけでしょ」

「オレのどこがバカなんだよ」


この質問を無視して、愛は2人分のグラスを片付けるとさっさと店を出て行った。


「あ、ちょ、待てよ」


今度は、キムタクの名ゼリフが口をつく。


なに怒ってんだよ。


怒りたいのはこっちだろーが。


どう考えても悪いのは愛の方なのに、手もつながずどんどん進んで行く愛の横顔に、オレの怒りは不安に変わった。


「愛」


「おい」


「おーい」


「愛ちゃ~ん」


呼びかけても、愛は知らんぷり。

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