誕生日には花束を抱えて【完】
「なあ、プレゼント、何がいい?」
試しに耳元で優しく囁いてみたが、
「……いらない」
「え?」
「欲しいもの、ないもん」
……とりつく島もない。
「私、予備校、休むから」
「え?」
「正平は、ちゃんと授業出なさいよ。バカなんだから」
「おい、待てって」
今日の愛は、1人で歩かせたくない。
オレは愛の腕を掴んだが。
「放して!」
愛はその手を振りほどき、
「ついて来ないで! ついて来たら、絶交だからね」
オレをにらんだ。
その冷たい目に怯んでしまい、オレは愛を追いかけることができなかった。
試しに耳元で優しく囁いてみたが、
「……いらない」
「え?」
「欲しいもの、ないもん」
……とりつく島もない。
「私、予備校、休むから」
「え?」
「正平は、ちゃんと授業出なさいよ。バカなんだから」
「おい、待てって」
今日の愛は、1人で歩かせたくない。
オレは愛の腕を掴んだが。
「放して!」
愛はその手を振りほどき、
「ついて来ないで! ついて来たら、絶交だからね」
オレをにらんだ。
その冷たい目に怯んでしまい、オレは愛を追いかけることができなかった。