誕生日には花束を抱えて【完】
家の前まで来ると、ケータイで愛に電話をかけた。


数回の呼び出し音の後、


『……なあに?』


不機嫌そうな、愛の声。


「ちょっと、外、出て来いよ」


『なによ。予備校、サボったの?』


「おまえがあんな態度取るからだろ」


『…………』


「とにかく、出て来い。来なかったら絶交するからな」


オレは一方的に電話を切って愛が来るのを待った。

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