誕生日には花束を抱えて【完】
<正平>


夏休みになってすぐ、久しぶりに愛の部屋で2人きり。


初めのうちは、大学での話とか友達の話をして楽しく過ごしていたのだが。


オレは、明日からサークルのテニス合宿。


それを知った途端、愛は不機嫌になってしまった。


「いいわよね~、共学は」とか。


「1週間も女の子とテニス三昧?」とか。


とにかく、言いたい放題。


「しょうがないだろ。小泉がどうしても入りたいって言うんだから――」

「べつに正平が一緒に入ることないじゃない。小泉くんの性格なら1人でもやっていけるわよ」

「…………」


愛の指摘はもっともで、オレは何も反論できなかった。

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