誕生日には花束を抱えて【完】
「……私との時間、減っちゃうってわかってるのに。

……正平は、私と一緒にいたくないの?」


愛の、泣きそうな顔に、


「旅行……行こうか」


オレの口から、自分でも驚くような衝撃発言が飛び出していた。


「――え?」


愛はびっくりして、オレを見つめた。


「あ、いや、その……」


いきなり「旅行」はまずいだろっ――。


自分自身を恨んだが。


「……うん」


愛は、はずかしそうに頷いた。




とろけるような、笑顔――。

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