誕生日には花束を抱えて【完】
オレは愛に見とれていたが、ふと、我に返った。


そうだ!


今こそ、告白するチャンス――。


「愛――」


思い切って告白しようとした時、


――プルルルル……。


オレのケータイが鳴り響いた。


電話をかけてきたのは、小泉。


ぅおいっ、マジで、頼むよ――。


恨めしい気分で電話に出ると、


『正平、何時ごろ来んの?』


オレの気など知らない小泉は、相変わらずの、ノーテンキ。


「そろそろ、家、出るよ」


明日の朝は早い時間に出発するため、オレは今晩、小泉のアパートに泊めてもらうことになっていたのだ。

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