誕生日には花束を抱えて【完】
「深見くんて、優しいからモテるでしょ」


昼食のレストランでケイちゃんがオレをほめると、


「あ~、ダメダメ。こいつは、愛想が全然ないから」


即座に、小泉がオレをけなした。


「小泉くんは、愛想ありすぎだよね」

「私たち、どっちかっていうと硬派な人の方がタイプなのよ。ね~」

「ね~」


ケイちゃんとサトちゃんが声を揃えると、小泉はムッとした。


「だけど、硬派なヤツって、むっつりスケベだったりするからな」

「でも、深見くんは違うよね~」

「ね~」

「いやいやいやいや。こいつなんか、今度女と2人で旅行に――」

「あ、バカ――」


オレはあわてて小泉の口を押さえた。

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