誕生日には花束を抱えて【完】
「冗、談……?」

「もしかして、本気にしてたの?」


見下すような、愛の表情。


「正平って、ほんと、バカだね」

「なんだよ……それ」




……全部、「冗談」だったって言うのか。


あんなに――。


あんなにオレをドキドキさせておいて。


冗談、なんて、たったのひとことで、今までのこと。


全部なかったことにするつもりかよ――。




「――ふざけんな」


オレの怒りは頂点に達した。


「オレだって、おまえみたいな女、ごめんなんだよッ」


手にしていたペンダントを愛の足元に投げつけて、オレは部屋を飛び出した。

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