誕生日には花束を抱えて【完】
<奈緒>


愛が入院していると聞いて、お見舞いに行った。


「胃が痛いんだって? どうせまた、深見とのこと、くよくよ悩んでたんでしょ」


元気のない愛を励まそうと、私は冗談ぽく笑った。


「正平には、もう、……会わない」

「えっ?! なんでっ?!」


愛が入院したと聞いた時より、何倍も驚いてしまった。


だって、2人はあんなに想い合っていたのに……。


「なにがあったの?」


私が聞くと、愛は入院してからの出来事を話し始めた。

< 152 / 200 >

この作品をシェア

pagetop