誕生日には花束を抱えて【完】
ガンだということ。
真知子さんという人と、その旦那さんのこと。
「やつれて果てて意識がなくなったところは見せたくないし、正平だって見たくないと思う」
深見への、想い。
「私を嫌いになって会わなくなれば、きっと、他に好きな人、……できる」
深見に嘘をついたこと。
「正平には絶対言わないでね」
愛の悲しそうな微笑みに、私はなにも言えなかった。
真知子さんという人と、その旦那さんのこと。
「やつれて果てて意識がなくなったところは見せたくないし、正平だって見たくないと思う」
深見への、想い。
「私を嫌いになって会わなくなれば、きっと、他に好きな人、……できる」
深見に嘘をついたこと。
「正平には絶対言わないでね」
愛の悲しそうな微笑みに、私はなにも言えなかった。