誕生日には花束を抱えて【完】
オレがずっと黙っていると、


「あ、それは禁句だよ」


小泉が口を挟んだ。


「どうして?」

「ダメになったんだよ」

「え~、そうなの? どうして~?」


ケイちゃんのテンションは急に上がった。


なぜ、女と言うのはこの手の話題が好きなんだろう……。


その横で、さっきまで無表情だったサトちゃんの瞳が急に明るくなって。


オレを見つめてくる、優しい瞳――。


もしかして、サトちゃんはオレを――?


その時、オレは、うぬぼれよりは確信に近い予感を抱いた。

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