誕生日には花束を抱えて【完】
その予感は、的中した。


「私、深見くんのことが好きなの」


オレはサトちゃんに告白された。


「ごめん、オレ、好きな子がいるんだ」


あんなに酷い仕打ちをされたのに、オレは愛のことを全然忘れられていなかった。


「でも、フラレたんでしょ?」

「…………」

「忘れたいんでしょ?」

「……あぁ」

「だったら、いい方法があるよ」

「え?」

「――私と、つき合うの」


そう言った時のサトちゃんの笑顔が、あまりにも爽やかだったから。


オレはその方法を試してみることにした。

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