誕生日には花束を抱えて【完】
オレの19歳の誕生日――。


「正平くんちで、ご飯作ってあげる」


サトちゃんは、今日もオレのアパートへ来たがった。


「でも、オレんち、鍋とか料理するようなもの、あんまりないし」


「じゃあ、ケーキでも買って、一緒に食べましょ」

「オレ、ケーキ、苦手なんだ」

「だったら、ピザは?」


今日に限って、サトちゃんはなかなか諦めてくれず、


「うん、いいよ」


オレは、ついに、うなずいてしまった。

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