誕生日には花束を抱えて【完】
途中でピザや飲み物を買って、オレの部屋に行った。


「その辺、テキトーに座ってて」


オレがグラスや皿を用意していると、


「正平くん……好き」


サトちゃんが抱きついてきた。


「え、ちょ、ちょっと――」


オレは反射的に、サトちゃんから離れた。


「……どうして? 私たち、つき合ってるのに」


やはり、オレはサトちゃんを傷つけてしまったようだ。




サトちゃんとつき合い始めて1カ月半が経ったが、オレが抱きしめてキスしたいのは愛だけ。


オレはほんの少しも愛を忘れられていなかった。

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