誕生日には花束を抱えて【完】
<小泉>


今日――正平の誕生日。


授業が終わると、正平はサトちゃんと帰って行った。


きっと、2人でパーティーでもするのだろう。




帰り道のコンビニで立ち読みしていたら、ふと、思い出した。


小6の時からお互いの誕生日は一緒だと、神崎が話していたことを。


今日は、正平の誕生日――。


もしかしたら――。


嫌な予感は膨らむ一方で。


とりあえず、正平のアパートに向かった。




途中、道路の向こう側にサトちゃんを見つけた。


今にも泣き出しそうな表情――。


……まさか。


まさか――。


オレは正平のアパートへと急いだ。

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