誕生日には花束を抱えて【完】
「……どうした?」
オレの剣幕に驚いたのか、小泉がおそるおそる声をかけてきた。
「愛がガンでもう長くないとか、嘘、言うんだ。……酷いよな」
オレは、小泉に同意を求めたが。
長い沈黙の後、小泉は口を開いた。
「……嘘じゃ、ねぇよ」
ふたたび長い沈黙が流れて――。
今度は、オレが口を開く番だった。
「それ……どういう意味?」
「1カ月くらい前に師匠から聞いたんだ。正平には言うなって口止めされてて」
小泉は、自分が知っている、すべてを話してくれた。
愛にカレシができたというのは、嘘。
愛がもう長く生きられないということは、嘘じゃない。
せめて、反対だったらよかったのに――。
心から、そう思った。
オレの剣幕に驚いたのか、小泉がおそるおそる声をかけてきた。
「愛がガンでもう長くないとか、嘘、言うんだ。……酷いよな」
オレは、小泉に同意を求めたが。
長い沈黙の後、小泉は口を開いた。
「……嘘じゃ、ねぇよ」
ふたたび長い沈黙が流れて――。
今度は、オレが口を開く番だった。
「それ……どういう意味?」
「1カ月くらい前に師匠から聞いたんだ。正平には言うなって口止めされてて」
小泉は、自分が知っている、すべてを話してくれた。
愛にカレシができたというのは、嘘。
愛がもう長く生きられないということは、嘘じゃない。
せめて、反対だったらよかったのに――。
心から、そう思った。