誕生日には花束を抱えて【完】
数日後。


愛の様子がおかしかった。


何か言いかけては、やめる。


そんなことを何度も繰り返した後、


「私、入院することになったの」


愛は、強張った表情で告げた。




「あのね、私……それで……」


その先を――真実を言えずにいる、愛。




そんな愛が哀しくて。


「ずっと、愛のそばにいるから――」




オレは愛を抱きしめて。


そっと、キスをした。

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