誕生日には花束を抱えて【完】
天使の微笑み
春休みということもあり、小泉と山本がしょっちゅう来てくれた。
「じゃあ、また来るね」
2人が帰ろうとすると、
「いい天気だから、外まで送るね」
珍しく愛が言い出し、車椅子で外に出た。
「もうすぐ、桜が咲くね」
病院の中庭の、大きな桜の木――。
春の陽気の中、蕾が膨らみかけていた。
おじさんは桜が見られるかどうか、みたいなことを言っていたが、このぶんなら、きっと大丈夫だろう。
「咲いたら、みんなで、花見しようぜ」
「いいねえ~」
オレの提案を、小泉が盛り上げた。
「私はその時20歳になってるから、お酒が呑めるわ」
山本の誕生日は、明後日――4月2日。
「それはズルいよ、師匠~」
オレたちがはしゃぐのを、愛は楽しそうに見ていた。
「じゃあ、また来るね」
2人が帰ろうとすると、
「いい天気だから、外まで送るね」
珍しく愛が言い出し、車椅子で外に出た。
「もうすぐ、桜が咲くね」
病院の中庭の、大きな桜の木――。
春の陽気の中、蕾が膨らみかけていた。
おじさんは桜が見られるかどうか、みたいなことを言っていたが、このぶんなら、きっと大丈夫だろう。
「咲いたら、みんなで、花見しようぜ」
「いいねえ~」
オレの提案を、小泉が盛り上げた。
「私はその時20歳になってるから、お酒が呑めるわ」
山本の誕生日は、明後日――4月2日。
「それはズルいよ、師匠~」
オレたちがはしゃぐのを、愛は楽しそうに見ていた。