誕生日には花束を抱えて【完】
結局、私は受験をして、合格した。


合格発表の日の夕飯は、料理上手なお母さんの得意料理がたくさん並んだ。


そして、仕事が忙しく、ほとんど家で夕飯を食べることのないお父さんも、今日は食卓についていた。


それだけ、私の合格が嬉しかった、ということ……。


「入学手続きは、いつなんだ?」

「明日の正午までだって」


お父さんもお母さんも、上機嫌で今後のスケジュール確認をしていた。


明日の、正午まで――。


それまでに、伝えなければ――。


伝えられなければ――。


正平と同じ中学には、通えない。

< 24 / 200 >

この作品をシェア

pagetop