誕生日には花束を抱えて【完】

中学1年生

中学の入学式。

愛と2人で、クラス発表の掲示板の前へ行くと、


「あれ、愛ちゃん、桜葉学院に行くんじゃないの?!」


小学校のクラスメイトたちが、次々に集まってきた。


「行くのやめたの」

「なんで?! せっかく合格したのに」

「そうだよ。桜葉なんて、行きたくたって行けないのに」


不思議がる友人たちに、


「でも……正平と一緒にいたいから」


恥ずかしそうに、爆弾発言。


「…………」


一瞬静まり返ったが、


「ええ~っ」


すぐに騒然となった。


「冗談だろ?!」

「愛ちゃん、正平のこと好きなの?!」

「もしかして、つき合ってるの?!」


口々に騒ぐ友人たちに、


「うん」


愛はにっこりと微笑んだ。

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