誕生日には花束を抱えて【完】
それから数日間は、屈辱の日々。


「なんであんなヤツと?!」


オレは愛の「冴えないカレシ」として、全校生徒から注目されていた。


それほど愛が可愛かったのか。


それとも、オレがイマイチなのか……。


正直、凹んでオレは愛に訴えた。


「カレシのフリ、やめたいんだけど」

「もしかして、超可愛い神崎愛の、冴えないカレシって言われて傷ついてるの?」

「あぁ。『超可愛い』は余計だけどな」

「でも、そしたら『やっぱりあいつ、フラレたぜ~』とか言われちゃうよ」


……それはありえる。


やっぱり、カレシのフリなんて引き受けなければよかった……。


後悔するオレに、


「大丈夫。そんなこと言われるのも、今だけだから」


なんの根拠があるのか、愛は自信たっぷりに言い切った。

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