誕生日には花束を抱えて【完】
<愛>


正平とクラスが離れてしまい、少しでも一緒にいられるように、私は正平と同じバスケ部に入った。


そしてすぐに、正平は一目置かれる存在になった。


1年生ながら試合にも出たりして。


もう、誰も、正平のことを「冴えないカレシ」なんて言わなくなった。



男子バスケ部と女子バスケ部の練習が終わる時間は、ほぼ同時。


だから、帰り道は一緒。


もちろん、登校も一緒。


だけど、もっと正平と一緒にいたくて。


「高校でもカレシのフリしてもらうんだから、私と同じ高校に行けるように今からちゃんと勉強しときなさいよ」


一緒に勉強するのを口実に、毎晩正平の部屋に押しかけたけど。


「こんな問題もできなくて、東高に入れると思ってるの?!」


なんて、相変わらず意地悪な態度しか取れなかった。

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