誕生日には花束を抱えて【完】
<愛>


小谷さんは、正平が好きみたい。


バスケの試合も、見に来てたし。


2学期になって、正平の隣りの席になったのも、実は友達に代わってもらったかららしい。


正平のクラスの前を通るたびに、2人が楽しそうに話すのを目にするようになった。


幸せそうな小谷さんの笑顔と。


正平の優しい瞳――。


私の胸はざわついた。


正平が小谷さんに惹かれていく――。


いつまでたっても素直になれない私に、不安の波が押し寄せた。

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