誕生日には花束を抱えて【完】
立っていたのは、小谷。
誕生日の夕方、わざわざ家に来るなんて目的はだいたい予想がつく。
オレは一瞬にして緊張に包まれた。
「あ、ど、どうしたの?」
「深見くん、誕生日おめでとう。これ、受け取って」
やっぱり、愛とは違う。
小谷は、心のこもった言葉と、華やかな包みをくれた。
「あ、ありがとう」
「あのね」
「ん?」
「私、深見くんが好き。
深見くんには神崎さんがいるって、わかってるけど、高校、別々になっちゃうから、どうしても伝えておきたかったの。
……じゃあ、私、帰るね」
小谷が背を向けた瞬間、
「あ、もう遅いし、送ってくよ」
オレは反射的に歩き出していた。
誕生日の夕方、わざわざ家に来るなんて目的はだいたい予想がつく。
オレは一瞬にして緊張に包まれた。
「あ、ど、どうしたの?」
「深見くん、誕生日おめでとう。これ、受け取って」
やっぱり、愛とは違う。
小谷は、心のこもった言葉と、華やかな包みをくれた。
「あ、ありがとう」
「あのね」
「ん?」
「私、深見くんが好き。
深見くんには神崎さんがいるって、わかってるけど、高校、別々になっちゃうから、どうしても伝えておきたかったの。
……じゃあ、私、帰るね」
小谷が背を向けた瞬間、
「あ、もう遅いし、送ってくよ」
オレは反射的に歩き出していた。