誕生日には花束を抱えて【完】
放課後、「小谷とつき合え」攻撃からやっと逃れられ、


「ったく、愛のやつ。なんでオレがフラレたことになってんだよ。しかも、変な宣言しやがって」


小泉に不満をもらすと、


「……わかんねぇの? 正平が小谷とつき合えるように、だろーが」


普段はおちゃらけている小泉が、珍しくオレに突っかかってきた。


「正平が神崎のことフッて小谷とつき合い始めた、なんてことになったら、おまえも小谷も、非難ゴウゴウだぞ。

そうならないように、神崎は――」

「いや、そこまで考えてねぇだろ」

「……おまえ、ほんと、バカだな」


小泉は冷ややかに言い、さらに、


「後悔すんなよ」


意味不明なことを言い残してオレの前から立ち去った。

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