誕生日には花束を抱えて【完】
オレは受験生なので、小泉と2人、勉強は続けていた。


「あ~、も~、わかんね~。正平、この問題わかる?」

「あい、どんと、の~」

「あ~あ、神崎がいれば教えてもらえるんだけどな~」


小泉は何気なく言ったのだろうが、愛の名前を聞いてオレの気持ちは沈んだ。


「けど、オレたちすげくね?」

「なにが?」

「わからない問題って、この、難問マークがついてるヤツだけだぜ。

それも、何問かだけだし――あ、今のシャレじゃないからな」


小泉はおちゃらけていたかと思うと、


「ところで」


急に真顔になった。

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