誕生日には花束を抱えて【完】
「そんなこと、ちょっと考えればわかるじゃない。相変わらず、バカね。あ、私、もう行かなきゃ」
私は正平に背を向けた。
これ以上一緒にいたら、泣いてしまいそうだったから。
「――愛」
私の背中に、正平の低い声。
「あんまり、無理すんなよ。中学受験の時みたいに、さ」
優しい言葉は、いらない。
……だって。
私は、正平をあきらめなくちゃいけないんだもん。
「バ~カ」
振り返って叫んだ後、私は真っ直ぐ前を向いて歩き出した。
私は正平に背を向けた。
これ以上一緒にいたら、泣いてしまいそうだったから。
「――愛」
私の背中に、正平の低い声。
「あんまり、無理すんなよ。中学受験の時みたいに、さ」
優しい言葉は、いらない。
……だって。
私は、正平をあきらめなくちゃいけないんだもん。
「バ~カ」
振り返って叫んだ後、私は真っ直ぐ前を向いて歩き出した。