誕生日には花束を抱えて【完】
<正平>


オレは、頼りなげな愛の後姿を、見えなくなるまで見送った。


愛に、会えなくなる――。


オレは、思い出していた。


小6の冬、愛が桜葉学院に合格した時に抱いた感情を。


もしかしたら。


あの頃から、オレは愛を――?


愛は、ものすごく可愛い表情をして、オレをドキッとさせることがあった。


その度に気のせいだと打ち消してきた、愛への想い。


だが、ついに否定しきれなくなってしまった。




――オレは愛が好きだ。














ずっと、好きだったんだ――。

< 62 / 200 >

この作品をシェア

pagetop