誕生日には花束を抱えて【完】
「なあ……東高にしろよ」

「え?」

「東高だったら、無理しなくても行けんだろ?」


正平は怒ったように私を見て、


「……オレも、東高にするから」


そっと目を逸らした。


えっと……それって。


一緒の学校に行こうって、こと?


私、正平と一緒にいてもいいの?


……ああ、でも。


――小谷さんは?


そう聞こうとして正平を見上げると、


「男が多くても、大丈夫。オレがカレシのフリしてやるから」


正平の、優しい瞳に出会った。

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