誕生日には花束を抱えて【完】
翌朝、外へ出ると、正平が待っていた。


「……おはよ」

「おう」


2人で並んで歩くのは、1カ月半ぶり。


ちょっと緊張してしまう……。


「私の好きな花、よくわかったね」

「そんなの、オレが知るわけないだろ。あれが一番安かったんだよ」


素っ気無い口調だったけど、正平の瞳は優しくて。


「それでもすごくうれしい。ありがとう」


初めて、私は素直になれた。

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