誕生日には花束を抱えて【完】
そんなこんなでゲーム組と乙研組に分かれて、オレはゲームをしていたのだが。


「やっぱ、花束はポイント高いよな」

「うん。特に、誕生日にもらえたら、胸キュンだよ!」


理想の恋愛を語る小泉と愛の会話に、オレの耳は傾いていた。


「その場合、やっぱり、年齢と同じ数?」

「でしょ――あ~、私も、誕生日に花束と一緒に告白されたい~」




「――だって」


不意に、山本がオレの腕を肘で突いた。


「はあ、なにが?」


オレは聞いていなかったフリをしたが、本当は心の中で誓っていた。




いつか必ず。


愛の誕生日に、淡いピンクのチューリップの花束とともに告白する――と。

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