誕生日には花束を抱えて【完】
4人での勉強会だけでなく、夜、2人での勉強会の方も復活した。


「なあ、ここ、教えて」

「うん」


愛はもう、オレと2人きりの時も生意気な態度を取らなくなった。


そればかりか、時折、ものすごく可愛い瞳でオレを見つめてきて、その度にオレはドキドキしていた。


愛の手は、オレの手よりも小さくて。


……その手に、触れたい。


オレの鼓動は、速まった。


「ちゃんと聞いてる?」


不意に見上げた愛の表情は、なんだかやけに可愛くて。


……その頬に、触れたい。


……その髪に。


……その唇に。


――愛に触れたい。


オレは、熱い衝動と闘っていた。

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