誕生日には花束を抱えて【完】
<愛>


小6で出会った時、正平の印象は「普通」だった。


――あれから、4年。


私と同じくらいだった正平の身長は、180センチ近い。


丸かった顔もシャープになった。


それから、バスケットボールを片手でつかめてしまうほどの、大きな手――。


4年の間に、正平はとても男らしくてカッコよくなった。


中1の時のように「冴えないカレシ」なんて言われることは、もう、ない。




私のーー。


私の「本当のカレシ」になってほしい。


「好きだ」――。


正平のからその言葉がこぼれるのを、私はずっと待っていた。

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