誕生日には花束を抱えて【完】
<愛>


「……こうすれば、オレたちが『つき合ってる』こと広まるだろ」


正平は不機嫌そうに言ったけど、ほんとはテレてるだけ。


だって、耳まで、真っ赤だよ。




誰かとすれ違うたびに、つないだ手を見られている気がして、ちょっと恥ずかしかったけど。


正平の手は、やっぱり、大きくて、温かくて。


このままずっと、放したくない――。


私は、大きな手と幸せに包まれていた。

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