誕生日には花束を抱えて【完】
<愛>


正平と私は、一緒に歩く時には手をつなぐようになった。


ただし、商店街から家までの間はご近所の目があるから放しているけど……。



私は、正平が好き。


そして、正平も私を――。



温かい手が。


優しい瞳が。


それを実感させてくれる。




……でも。


高校生になって、3カ月。


私たちが「つき合っている」ことは学校中に知れ渡っていたけれど。




――好きだよ。


私が聞きたい言葉――。




正平の本当のカノジョにしてほしいのに、正平はそれを言ってくれなかった。

< 83 / 200 >

この作品をシェア

pagetop