誕生日には花束を抱えて【完】
<正平>


「なあなあ、もう、チューした?」


突然、小泉に言われて、


ブボ――ッ。


オレは飲んでいたジュースを吹き出した。


「きったねぇなあ。これ、妹のなんだぞ」


小泉はマンガの汚れを拭き取りながらも、


「んで、どういう状況で?」


興味津々で迫ってきた。


「そんなん……してねぇし」


オレが正直に答えると、


「……マジで? あんだけ2人きりの時間と空間があったのに?」


小泉は本気で驚いたようだった。

< 85 / 200 >

この作品をシェア

pagetop