誕生日には花束を抱えて【完】
「……ごめんね、私に学ラン貸してくれたからでしょ」


しかも、愛の瞳は心なしか潤んでいて。


「違うよ」


オレはさりげなく目を逸らした。


理性の限界、ギリギリだったからだ。


しかし、愛はそんなオレの事情など知る由もない。


「まだ、熱、あるの?」


不意に、オレの額に手を当ててきた。


その、柔らかくて温かい手に――。























――オレの理性は、ぶっ飛んだ。


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