誕生日には花束を抱えて【完】
<正平>


愛とオレが「別れたらしい」という噂が広まって、愛の周りに男どもが群がるようになった。


そんな中で、バレー部の安田は、愛を家まで送って来た。それも、3日連続で。


安田は、見た目も中味も男前。


愛の心が安田に奪われてしまいそうで、オレは焦った。


こうなったら、もう、告白するしかない。


理性との戦いの日々は確かに辛いが、愛がそばにいないのはもっと辛い。


もしも、愛が他の男のものになってしまったら――。


考えただけで、気が狂いそうになる。


明日もまた、安田が愛を送って行こうとしたら、はっきり言おう。


「オレのカノジョに手を出すな」と。


そして、愛に告げよう。


「本当のカノジョになってくれ」と。

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