ぴんく







男を避けながらやっと校門についた。



小走りで来た私は、深呼吸をして校門を後にしようとした。





「あの、今朝はすいませんでした!!」




いきなり目の前に現れた男。


びっくりしたと同時に震えが始まる。





「だ、大丈夫です…さようなら」




そう言って帰ろうとした。





ガシッ



右手を男につかまれる形になった。


その瞬間私は、こらえていた涙が溢れ出す。




怖くて、怖くて自分で立っていられなくなった。





その瞬間誰かに支えられるかたちとなった。




私の記憶は、そこで途絶えた。





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