最後なのだとわかっていれば~上~
1章
現在
「ハイ…すいません後日…ハイそれでは」
ガチャー…
「斉藤ー!そろそろあがっていいぞ」
「いえまだ残りあるんで…」
もう一度パソコンに向き合う自分
「これいい写真じゃないか」
上司の近藤さんが俺の1番気に入った
写真を見るー
「ええ。俺もその写真好きです」
そう言って出来上がった写真を会社の
ページに載せる
「ふ~…」
暗くなった都会の町
明かりが綺麗に光りあう
自分の机を開いて奥から出てきた写真
を手にとる
「……」
自分にはない笑顔
自分じゃない笑顔
「ゆず…」
ゆっくり目を閉じるー