最後なのだとわかっていれば~上~
「ごめんー…」
「え?」
さっきまで最悪だった屋上に
相崎を呼んだ
「アイツ相崎の事いじめてんだろ?」
「何で?」
相崎の目を見れば涙が溢れていて
震えている
「ごめん。本当にごめん」
今だからできる事。
今しかできない事。
俺は初めて相崎を強く抱きしめた
震えが分からないくらいに
相崎は大声で泣いた
「ハイ。これ」
「何これ?」
泣き止んだ相崎に俺は一枚紙を渡す
「アド…レス」
「そう。何かあったら言って!」
俺は電話番号とアドレスを渡した
「有難う!でも大丈夫」
「そっか」
「ただ、メールも電話も普通にしていい?」
「当たり前じゃん相崎はずっと俺の大事な友達
なんだし!」
「…うん!友達最高!」
何て初めて本気の笑顔を見れた
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