最後なのだとわかっていれば~上~
文化祭のあの日から
俺たちの距離はぐーんと縮んだ

「昨日メール有難う」
「うん俺こそ有難う」
いつの間にか連絡先を
教えて1番知りたかった物まで知れた
「誕生日?」
うなずきながら相崎が俺を見る
「俺は8月10日…」
「そっかぁ~もう終わっちゃったか」
「来年祝ってよ」
そう俺が言うと嬉しそうに大きく頷く
「相崎こそいつ?」
「私?…3月19日」
「そうなんだ!来年祝うね」
「うん!!♪」
ただ俺等はまだ井上くんと相崎の関係
きっとはっきりしない俺のせい。
下校途中雅が下駄箱で待っている
「おう!」
「おうって藍那は?」
「じゃ~ん!」
下駄箱の裏から俺を驚かす
「何やってんだよガキ」
「春哉最低ー!」
「俺の彼女いじめんな」
俺は雅から拳骨される…
結局3人で何故か帰る
「ねぇ春哉はゆずどうすんの?」
「はぁ?どうすんのってもののように言うな」
「キャーかっこいい!」
ふざけた声で雅が言う
「どっちにしろライバル多きだね」
「うん…」
「ゆずも春哉も」
そう藍那が言うと雅が俺の前に立つ
「んだよ」
「お前今は本当にゆずちゃんだけだよな?詩音とか…」
「ないから心配すんな。死んでもごめんだわ」
「良かった安心」
「でもさぁ~まだ2人付き合ってないんでしょ?」
藍那が不思議そうに首をかしげる
< 29 / 45 >

この作品をシェア

pagetop