最後なのだとわかっていれば~上~

好き

「話って何?」
長い髪を風になびかせながら
俺に近寄る
「俺、ちゃんと相崎に言ってないから…」
「え?」
秋だからかな?すごく風が冷たい屋上ー…
「俺相崎が好きだ」
「うん…」
「俺と付き合って下さいー…」
「私こそよろしくお願いします」
照れた顔を見せる相崎が愛おしくて
手ばなしたくなくて遠くにあったものが
手に入った子供の心みたいだった。
「ゆず…」
初めて名前で呼ぶ
「春哉ー…」
なんとも言えないものが俺の体に走った
まるでドラマのイチブみたく…

「んっ」
手を出すとゆずが俺の手に手を置く
「何かカレカノになったんだね!」
「あったり前~俺が大事にするから」
「うん!」
元気よく返事をする俺の彼女ー…
「今日はお祝いだー!」
そう雅に言われて俺等4人で部活をサボリ
2ケツしながら長い坂道を下っていく
「すんっごく早いーーー!」
「ブレーキブレーキー!!」
はしゃぐゆずが可愛くて俺はわざと
くねくね自転車を動かす
「落ちるちゃんと運転してよ!」
「はいはい、笑」
4人でコンビニでお菓子を買って
川の近くに自転車を止める
「ねぇー見て空綺麗」
4人で川の字になり草に寝そべって
空を見上げる……
「あっそうだカメラ持ってきたから撮ろうよ」
藍那の提案で写真を撮る事になった
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