最後なのだとわかっていれば~上~
「春哉お母さんもう行くね?」
俺の部屋のドア越しに母さんが言う
「おうーいってらっしゃい」
階段をダッシュで降りる母さんの足音
下に降りて朝食を食べ洗面所に行き
髪の毛をセットして買ったばかりのピアスを
二個つける
「-よしっ」

「春哉~おっはよ~」
学校に着くなり下駄箱で雅に声をかけられる
「おっはよ~馬鹿眠~よ」
「春哉昨日のメール無視?俺予定聞いたさ~」
「嘘っまじで気づかんかった~俺も知らねーし」

長い廊下を歩く
「おはよ?えーと…井上くん」
教室の入り口に友達と立っている相崎
「おはよ」
「うわっゆずちゃん!おはよ~」
慣れなれしく話す雅
「あっおはよ~えっと菅野くん」
「そうそう!雅でえ~よ」
隣に居る友達も笑いながら喋っている
そこを通り過ぎ俺はかばんを机にかける

「みやくんって面白いね」
物理をやっている途中相崎が俺に言う
みやくんって雅かー…
「あ~うん。だね」
「井上くんは女の子キライ?」
「は?何で?別にー…」
「だってさっきっから目見て話してくんないし…」
そういわれるともっと見れなくなる
「あ~わりー、」
「うっううん!私こそゴメン」
休み時間は相崎の友達と雅が俺たちの席に来る
「相崎~ちょっといいか~?」
担任に呼ばれて相崎が席を立つ
「ねね!井上くん春哉って呼んでいい?」
相崎の友達が俺に話しかける
相崎と同じ茶髪で顔が可愛いじゃなく綺麗な子
「あ~うん。いいけど」
「私は藍那って呼んで~」
「分かった藍那ね」
「何何~?」
話に割り込んだのは相崎ー…
丁度よく鐘がなる
授業中は四六時中景色か相崎を見た
「お前部活どうする~?」
5時間目が終わってかばんをもった雅が
聞いてくる
「あ~俺バスケやれって言われてる」
「推薦か~…いいねスポーツマンは」
そう言ってかかとをふんだシューズを下駄箱になげる
「俺もそうなりてーーえ!」
そう言ってかばんを大きくふった
その瞬間ー
「痛っー」
「うわごめん」
近くに居た女の子にあたりかばんが飛んでく
「大丈夫?」
俺は落ちた往復切符を彼女に渡す
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