最後なのだとわかっていれば~上~
「どうしたのいきなり家来て」
まだ制服のゆずが家を開ける
「いや…メールしようとしたけど考え事してたら忘れてて」
「そう…どうする?家あがる?」
「あ~うん。お邪魔します…」
始めて入るゆずの部屋はいっぱい空の写真など
コルクで飾られている
「すげ~な…写真好き?」
「うん!すんごく素直だしそのままのものが写ってくれるし」
「そっか、俺もすげ~好き」
「本当に!?じゃー写真家になればいいじゃん!」
「え?」
俺はゆずを見る
「そしたら1番始めに私に写真頂戴」
「分かった…なれたら…ね」
また静かな時間が続く
「話って何?」
「あのさ…俺」
そう言ってゆずを見つめる
いつも通りに笑うゆず
言えない…言えるわけがない
「何~?」
「嫌、ごめん!話す内容忘れた~!」
そう明るく
「馬鹿~!笑」
ごめん
「悪~また言うわ」
ごめんゆず
「もう!まぁー待ってるね」
俺お前の前から居なくなる
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