最後なのだとわかっていれば~上~

さようなら

「春哉くん行くよ」
「うん…」
長い間有難うと部屋にさよならをつげる
「新幹線、すぐ来るから」
そう母が言って俺は静かに頷いた
「春哉!」
「雅…藍那?」
息切れした2人がエレベーターからおりてくる
「学校は!?」
「親友のさよなら見送る方が大事だ」
「雅…」
「雅、ゆずに渡してくれた?」
「渡したよ。」
そう言うと藍那は涙をうかべる
「これ…前の写真だけどどうする?」
そこには俺等4人と2人で撮ったあの川原の写真
「ほしい…」
そう言ってポケットにしまう
「春哉!!!!!」
俺はおもいっきり後ろを振り向く
「ゆず……」
俺に抱きついてくるゆず
「さよならなんて嫌だ何!?何で言ってくれなかったの」
「ごめんー…」
俺の体を叩くゆず
「私信用なかった?」
「ごめん…違うんだ」
「嫌だ…まだ一緒居たいよ私はずっとー」
「幸せになってよ…俺は最低だから俺じゃない奴と」
「…春哉電車来たわよ…」
ゆずはその場で倒れこみ藍那が支えるのが後姿で感じた
「雅…俺の友達で居てくれてありがとうまた連絡するからー…」
「ゆず…有難う。愛してるよ」
そうゆずに聞こえないように、

ゆず…

ごめんね
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