星に願いを彼に愛を




《楠へ向かって…藍》


母様?


《いき………て…………藍》



──プツンッ──




誰の声も聞こえなくなった


耳に掌を当てても聞こえない



「あっ…ああっ…」



もう森には僕と雅しかいない



「う゛あ゛ぁぁぁぁあ゛ぁぁ!!!!」



僕の足の周りには人間の血で塗られた赤い草むらのじゅうたん


空には藍色(アイイロ)の夜空に星がたくさん散らばっている



母様が言っていた



「あなたの名前の“藍(ラン)”というのはですね、この夜空…藍色の夜空からとったのですよ。藍色の夜空に輝く星を、兄様と一緒に森のみんなを守れますように、と」




けれどそんな願いは儚く消え去りこの状況だ



森のみんなを守れなかったけど人間は全員殺したよ?だから安心して眠ってね




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