星に願いを彼に愛を
「森へ向かおう、雅」
「もう…大丈夫、なの?」
「あぁ…ごめんね雅」
僕たちは森へ向かう前に湖で血を洗った
「湖が血の色に染まってる…」
雅は泣き出しそうな顔で呟いた
そんな顔をさせているのは僕のせいだよね?
ごめんね雅
まだ悔いるのは本当にそう思ったんだ
「ここが楠森?」
「…あぁ」
「藍、あの、あたし藍を全力で守る、から…だから…」
これは雅が言った最初の“だから…”。次の言葉はすべて同じ
「“人間を殺さないで”」
そんなに僕が怖かった?
そんなに怯えたの?僕に
「うん…わかってるよ」
僕を信じて、僕の側から離れないで
……………お願いだから
神は鬼を許さない
決して良心をはたらかせても
絶対に…許してはくれないんだ
……………─────────